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冒険家クラブの冒険談
¥1,000
「冒険家クラブの冒険談 ぞっとするような六つの話」 著者:五人の男と一人の女 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,000円 判型:新書判 刊行:2025年1月 探偵小説史の裏に生きたシリング・ショッカー ヴィクトリア朝時代の人々が実際に楽しんだのはこれだ! 切り裂きジャックを描いた最初期の小説! 本書はThe Adventures of the Adventurers Club, A Shocker in Six Stories (Five men & a woman 1890)の全訳である。いわゆる「シリング・ショッカー」と呼ばれる読み物で、一シリングという単行本よりは安い価格(ちなみにストランド・マガジンも一シリングだった)で売られたペーパーバックだ。著者名も「五人の男と一人の女」という、語り手そのままであって本来の著者名は明記されていない。これは『ある刑事の回想録』 (ウォーターズ、ヒラヤマ探偵文庫)以来の、語り手すなわち著者名とする習慣が引き継がれているのだろう。おそらくこの本は娯楽のために読み捨てられていたのではないかと思われる。同様に読み捨てられていた定期刊行物には青少年を読者として想定した「ペニー・ドレッドフル」があったけれども、当時は十二ペンスで一シリングだったので、価格としては十二倍になるし、本書中には英語の註なしにフランス語が使われたりもしているので、読者はフランス語も分かる、ある程度上の階級に属する人々だったと思われる。親しい人々が集まって話を披露するという形式は、 「デカメロン」以来よくある形だが、日本でも江戸川乱歩「赤い部屋」や野村胡堂「奇譚クラブ」がある。 【目次】 冒険家クラブとは何者か? ジュリアン・ストラハンの話 外国人街にて 会長の話 陪審員長 家畜処理場 女性会員の話 訳者解説
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赤い塔の家
¥700
「赤い塔の家」(森下雨村少年少女探偵小説コレクション2) 著者:森下雨村 解説:湯浅篤志 判型:新書判 52ページ 価格:700円 刊行:2025年1月 2023年に刊行された「森下雨村少年少女探偵小説コレクション」のシリーズ第2弾! 無言の声が聞こえる。光子のテレパシーを感じる! 幽霊騒ぎの中で能力者に覚醒した純子の活躍を描く大正時代(1918年)の冒険科学小説!! 本巻には、森下雨村の冒険科学小説「赤い塔の家」(『少女の友』大正7年7月~12月号)が収録されている。――赤い塔の家にある、開かずの部屋で起こる幽霊騒ぎがきっかけで、物語が動き始める。『少女の友』に連載されていたので、登場人物の中心はローティーンの一郎や純子、光子の姉妹であり、彼らの行動が、読者の〈恐いもの見たさ〉を煽るものとなっていた。 千里眼やテレパシーなどの超常現象も描かれ、作品を支えるものとしてあった。この時期、つまり大正7(1918)年の小説としては、たいへん珍しい題材だといえるだろう。また物語の舞台である赤い塔の家も、栃木県の中禅寺湖の湖畔にあるという設定になっていた。子供たちが夏休みに出かける避暑地の雰囲気を存分に出している。雨村は、夏という季節の連載を意識して、題材を扱っていた。その赤い塔の家には、大きな秘密が隠されていたのである。はたして彼らは、秘密を解くカギを探すことができるのであろうか?
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ミカドの謎 ニック・カーターの日本の冒険
¥2,700
「ミカドの謎 ニック・カーターの日本の冒険」 チッカリング・カーター編 平山雄一訳 芦辺拓・解説 判型:新書版266ページ 価格:2700円 刊行:2024年12月 ■作品紹介 『ミカドの謎 ニック・カーターの日本の冒険』は、米国ダイム・ノベルを代表する名探偵ニック・カーターが、日本を舞台に活躍するスリリングな冒険譚です。イギリスで「貧乏人のためのシャーロック・ホームズ」と呼ばれたセクストン・ブレイク(シリーズがヒラヤマ探偵文庫から刊行中)に対し、アメリカではニック・カーターがその地位を占めていたことから人気の高さをうかがえます。 表題作「ミカドの謎」では、ニック・カーターが日本の天皇(ミカド)からの依頼を受け、日露戦争を防ぐために秘密諜報部に潜むスパイを捜し出すというミッションに挑みます。舞台は1904年の日本、日露戦争という時代背景が巧みに取り入れられ、緊張感あふれるストーリーが展開されます。異国情緒あふれる日本を舞台に、名探偵ニック・カーターがどのようにして謎を解き、国家の危機を防ぐかという手に汗握る展開が読者を引き込みます。 また、連作集「芸者タリカ」には、「芸者タリカ」、「芸者タリカ、もしくはニック・カーターの日本のライバル」、「ミカドの命によりニック・カーターの特別護衛」の3作品が収録されています。日露戦争の勝利に高揚する日本が勢力拡大を目指す中、戦争への機運を抑えるために来日したニック・カーターは、影響力のある芸者タリカと共に動き、緊迫した状況を切り抜けていきます。 異文化が交わる独特の雰囲気の中で繰り広げられる謎解きと駆け引きは、読者に新鮮な驚きをもたらすでしょう。ぜひ、ニック・カーターと一緒にスリリングな冒険の世界を味わってください。 ■ヒラヤマ探偵文庫より 本書にはアメリカのダイム・ノベルを代表する名探偵、ニック・カーター が登場する数多くの作品のうち、日本を舞台にした作品をご紹介する。同じ ような週刊誌で活躍したイギリスのセクストン・ブレイク・ シリーズが、「貧乏人のためのシャーロック・ホームズ」と呼ばれていた が、アメリカにおいてはニック・カーターが同様の地位を占めていたと言っ ていいだろう。カーターやブレイクの主な読者層は、青少年労働者階級であ ったといわれている。なお初出時は日本が日露戦争に勝利して、新興の大国 として世界に名乗りをあげ、注目を集めた時期でもある。アメリカの庶民の 娯楽の題材になるほどの親しみはあったことが推察される。 「ミカドの謎」(The Mystery of the Mikado)は、New Nick Carter Weekly一九〇四年四月二日号に掲載された。「芸者タリカまたはニック・カ ーターの日本の任務」(Talika, the Geisha Girl, or, Nick Carter's Japanese Misson)は、New Nick Carter Weekly一九〇八年七月四日号、十 一日号(Talika, the Geisha Girl, or, Nick Carter's Japanese Rival)、十八日号(By Order of the Emperor, or, Nick Carter's Special Bodyguard)に掲載された連作を、同年に三作を合わせて単行本に した。
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ヴィクトリア朝の上流階級
¥1,500
「ヴィクトリア朝の上流階級」 平山雄一訳・解説 判型:A5版152ページ 価格:1500円 刊行:2024年11月 『ヴィクトリア朝の上流階級』は、ヴィクトリア女王即位六十周年の記念として発行された写真集 NOTABLES OF BRITAIN の全訳です。1897年に刊行されたこの作品は、当時のイギリス上流階級の著名人たちの写真と直筆を集めたアルバムであり、シャーロック・ホームズが活躍したヴィクトリア朝後期を舞台とする人物たちが一堂に会しています。本書は直筆部分を省略していますが、収められている人物たちの経歴や評価については、訳者が解説を加えています。 登場する人物には、ヴィクトリア女王を筆頭に王室の方々や貴族たちをはじめ、クリミア戦争に従軍した看護師のフローレンス・ナイチンゲールや、『ジャングル・ブック』などで知られるノーベル賞作家ラドヤード・キプリング、冒険小説『洞窟の女王』で有名なH.R.ハガード、その他有名や俳優や芸術家など、19世紀を代表する面々が揃っています。ホームズが捜査の途中で彼らと出会っていたかもしれないという想像を巡らせながら楽しめる写真集です。 また、ファッション好きの方には当時のメンズファッションの隆盛を知るための貴重な資料としても役立つ内容になっています。
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ぼくがエイリアンだったころ
¥1,980
SOLD OUT
様々な言語で書かれた世界中の物語の翻訳書を出版するひとり出版社「ことばのたび社」による初めての商業出版作品が登場! 周りの大人たちへの不信感から、九歳の時に眠ることをやめた青年ホーマー・B・エイリアンソンは、ある夜、橋のたもとでカートと名乗るミュージシャンに出会い、ドラッグに溺れてゆく。身を削りながら自らの音楽表現を追求するカートと、別世界の恋人を求めて旅に出るホーマー。間違って地球に飛ばされてきた別世界の子供たちがたどり着く先とは- イタリアのポストモダン文学の奇才トンマーゾ・ピンチョの代表作 イタリアポスト門文学の奇才と呼ばれるの作家トンマーゾ・ピンチョが、1960~90年代のアメリカを舞台に描く物語。純文学として上質であるのみならず、笑いやバイオレンス、ロマンスなどエンタメ要素もたっぷりの読み応え満点な作品です。 著者のペンネームは、アメリカのポストモダン作家トマス・ピンチョンに由来しているとのこと。
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翻訳文学紀行Ⅵ
¥990
様々な言語で書かれた世界中の物語の翻訳書を出版するひとり出版社「ことばのたび社」がお送りする翻訳同人アンソロジー待望の第6弾! 第6巻となる本書では、英語文学(アメリカ)、ハンガリー語文学(ハンガリー)、アラビア語文学(パレスチナ)、ドイツ語文学(オーストリア)、華語文学(中華民国)といった世界のバラエティ豊かな言語による個性的な作品たちをそれぞれの翻訳者が読者の皆さんにお届けします。 収録作品 「ストーリーテラー」より二篇 英語文学(アメリカ) レスリー・モン・シルコウ著/大松智也訳 「中央署当直にて」 ハンガリー語文学(ハンガリー) レィテー・イェネー著/中井杏奈訳 「ワーディ・ニスナースの新しい地図」 アラビア語文学(パレスチナ) ターハー・ムハンマド・アリー著/西道奎・溝川貴己訳 「ゴットランド島」[第一部第三章「カインとアベル」] ドイツ語文学(オーストリア) ミヒャエル・スタヴァリチ著/高田緑訳 「鉄漿」華語文学(中華民国) 朱西甯著/蘭豪訳
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森下雨村犯罪実話集
¥1,200
「森下雨村犯罪実話集」 森下雨村 湯浅篤史・編 判型:新書判 110ページ 価格:1200円 刊行:2024年9月 フランスの名探偵ギュスターヴ・マセやゴロンが活躍する実話やウィルキー・コリンズ「月長石」やS・S・ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」に影響を与えた「コンスタンス・ケント事件」などの大正、昭和の探偵小説ブームを牽引した森下雨村が蒐集してきた西欧犯罪実話から描いた作品集です。 (編者解説) 本巻には、「死体を無くした男」「冷酷無情 カザリン・ヘーズ」「コンスタンス・ケント事件」「鼠を飼う死刑囚」「十五萬ポンドの頸飾」「噫無情」の六編の英仏犯罪実話が収録されている。 「死体を無くした男」は、パリ警視庁のギュスターヴ・マセの活躍、「冷酷無情 カザリン・ヘーズ」は、カザリン・ヘーズの残虐な殺人をそれぞれ描いている。「コンスタンス・ケント事件」は、ウィルキー・コリンズ「月長石」やS・S・ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」に影響を与えたといわれる事件であった。「鼠を飼う死刑囚」は、アーサー・グリフィスが描く、動物好きの死刑囚の話であり、「十五萬ポンドの頸飾」は、フランスからイギリスに送った十五萬ポンドの頸飾がすり替えられたところから始まる話だ。「噫無情」は、マセと並ぶフランスの名探偵ゴロンの捜査法を語っていた。いずれの作品も、森下雨村の好みが伝わる、読み応えのある犯罪実話であるといえるだろう。 ■目次 死体を無くした男 冷酷無情 カザリン・ヘーズ コンスタンス・ケント事件 鼠を飼う死刑囚 十五萬ポンドの頸飾 噫無情
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英国犯罪実話集3
¥2,100
「英国犯罪実話集3」 アルフォンス・ベルティヨン他・著 平山雄一・訳 判型:新書判 198ページ 価格:2100円 刊行:2024年9月 事件発生から七年後に発表された切り裂きジャック事件のパンフレット収録! ストランド・マガジンのイラストを多数収録したヒラヤマ探偵文庫オリジナル編集によるイギリスの犯罪実話集の第3弾です! 今回もストランド・マガジンに掲載された犯罪関係の記事を集めてすべてのイラストを収録、さらに1895年にカナダで発行された、ウェインライト事件と切り裂きジャック事件を描いた実話パンフレット全訳を収録(『犯罪と犯罪者の記録 第一号』)しました。新聞記事以外で、切り裂きジャックについて書かれた最初期の資料ではないでしょうか。 収録作品は以下の通りです。 ■目次 『小説のような犯罪実話譚 二人の有名スコットランド・ヤード刑事の体験談』 『エジプトの「シャーロック・ホームズ」ベドウィン族追跡者の方法』 『証言の価値とは何か?』 『最新犯罪捜査法グロス・システム』 『ラッフルズは実在するのか? 紳士強盗の伝説』 『犯罪者は外科手術で治癒できるのか?』 『裁判所の風景――刑事法廷』 『世界最大の探偵事務所ピンカートン社の歴史』 『犯罪と犯罪者の記録 第一号』 (おことわり) 「英国犯罪実話集1」につきましては、版元在庫なしにつき、お取り扱いがありません。 「英国犯罪実話集2」につきましては、在庫僅少となっております。
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吟醸掌篇vol.5~女性作家ミステリ号~
¥1,320
短篇小説を愉しむ文芸誌「吟醸掌篇」待望のvol.5! 特集は、女性作家によるミステリの競演です! 6月10日発売。発送は発売日以降順次となります。 「上質で面白い、短篇小説の商業文芸誌を作りたい! 」と創刊された『吟醸掌篇』の(やっと)第5号。 今回は女性作家ミステリ号。新作短篇4本に、翻訳1本、秀逸な読書案内に作家紹介とコラムも充実しています! A5判、136ページ 978-49908862-8-8 C0093 1200円+税 装幀・装画:山﨑まどか (「ミス・ニャープル」。モデルは、キャッツ・ミャウ・ブックスの初代店員、読太さん) 「吟醸掌篇vol.5」目次 【表紙】 山崎まどか(装幀・装画) 【コラム】《ミステリと女性作家》 空知たゆたさ「(わたしの愛する短篇作家⑤)エリサベス・ボウエン─事件と生活の共犯性」 杉山志保「銀輪の音 凛々と響かせよ ミステリの妖精(エルフ;)仁木悦子よ!」 頭木弘樹「理想のミステリとしたシャーリー・ジャクスン」 【コラム】 《女性作家のミステリ わたしの短篇ベスト3》 ・寺田和代「凡人の内なる悪や恐怖をあぶり出す不穏な心理劇」 (P・ハイスミス、R・レンデル、ローリー・リン・ドラモンド) ・うた「女性がミステリーを語るとき何が起こるか」 (アガサ・クリスティ、ミネット・ウォルターズ、ローリー・リン・ドラモンド、カリン・スローター、パトリシア・コーンウェル) ・伊東晶子「変わり続ける女性探偵たち──激辛はイヤ、でも生ぬるいのもちょっとね」 (キャサリン・ルイーザ・パーキス、アマンダ・クロス、B・K・スティーブンス) 【翻訳】 レベッカ・ハーディング・デイヴィス/(訳)まえだようこ「船長の話」(画・八木橋幸子) 【創作】 小沢真理子「黒の方法」(画・小春あや) 村木美涼「eフィーバー」(画・とどろきみゆき) 浅野里沙子「見えざる影」(画・三堂懐古) 栗林佐知「ばあちゃんは見ている」(画・小春あや)
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吟醸掌篇vol.4
¥1,210
【再入荷しました!】 短篇小説を愉しむ文芸誌「吟醸掌篇」待望のvol.4です! 「吟醸掌篇vol.5」の刊行に合わせて再入荷しました!! 「吟醸掌篇vol.4」目次 【コラム】 短篇礼讃(結晶とスナップショットと未完・断片) 頭木弘樹(画・木村千穂) わたしの愛する短篇作家④ ディーノ・ブッツァーティ──残された宿題 空知たゆたさ(画・三堂懐古) 去年の読書から わたしの短篇ベスト3 林浩治/寺田和代/踏/斎藤真理子 【翻訳】 「黄昏どき」 スーザン・グラスペル/まえだようこ訳(画・八木橋幸子) 【詩と版画】 「ひかり」 武藤玲 【創作】 「お水とり」 なかむらあゆみ(画・とどろきみゆき) 「爆心地ランナー」 志賀泉(画・有冨禎子) 「白化かしの村」 松本薫(画・三堂懐古) 「ヌスット透視図」 片島麦子(画・とどろきみゆき) 「鳥の餌を盗む」 藤本紘士(画・奥津直道) 「蟻の王様」 栗林佐知(写真・踏) 【装幀・装画】 山﨑まどか
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超短篇画集 丘の団欒(まどい)
¥1,650
15年前、文芸誌『小説すばる』誌上で出会った若きイラストレーターと中年の新人小説家。 ほのぼのしているのにそこはかとなく物騒で、ぞっとするんだけどなんだか笑ってしまう、透明感あふれるイラストと、日常からずれまくった超短篇63本のコラボ! 小春あや(画)・栗林佐知(文) A5判、96頁 装画:小春あや 装幀:山﨑まどか・原瑠香
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趣味のモダン・アラカルト 大正・昭和・戦後のひととき
¥1,700
2024年5月の文学フリマ東京で発表されたヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「趣味のモダン・アラカルト」 著者:湯浅篤志 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,700円 刊行:2024年5月 大正文学研究者の著者がインターネット上のブログに書き綴ったものから〈趣味のモダン〉というテーマで抜粋し、一部加筆修正等行ったエッセイ集です。論創社から2010年に刊行された「夢見る趣味の大正時代-作家たちの散文風景-」の続編ともいえるエッセイ集になります。 大正から昭和、そして戦後へと続く、文人、世間の〈趣味〉への関わり方が書かれています。 巻末には、青木槐三が昭和4年に「サンデー毎日」に掲載した「駅弁名物 汽車の旅」の解説も収録。昭和初期の駅弁に興味のある方は必読です。 〈版元より〉 大正、昭和から戦後へと続く、文人、世間の〈趣味〉への関わり方をとりあげたエッセイ集。大正文学研究者、湯浅篤志『夢見る趣味の大正時代』(論創社、2010)の続編になります。大正の初めは不景気の時代でした。すぐに第一次世界大戦が始まり、関東大震災があり、昭和を迎えます。モダンの喧噪にあけくれ、辛く悲しい戦争を生き、戦後なってようやく生活を取り戻すことができました。そうした時代を生きてきた市井の人々は、どのようにして普通の生活を楽しんできたのでしょうか。文化の先端に触れ続ける文人たちの〈趣味〉のまなざしを通して、世間の流行や現象にに切り込んでいきます。また、鉄道ジャーナリスト青木槐三が昭和4年に書いた「駅弁名物 汽車の旅」(『サンデー毎日』所収)を取り上げ、日本全国の駅弁を紹介します。こんなにたくさんの美味しそうな駅弁があったんですね。戦前の駅弁研究家は必携です。
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テリーの日本案内 大正3年版
¥1,900
2024年5月の文学フリマ東京で発表されたヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「テリーの日本案内 大正3年版」 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,900円 刊行:2024年5月 東京駅が開業し、宝塚歌劇団が第一回公演を行った大正3年。夏目漱石が「こころ」の連載を開始し、コナン・ドイルが「恐怖の谷」の連載を開始した大正3年。そして、新シーズン「柱稽古編」の放送が2024年5月からスタートした人気アニメ「鬼滅の刃」の舞台となっている大正時代。そんな時代の日本の歩き方を示したガイドブックの翻訳版です。 日本への渡航方法から費用、日本での過ごし方やそこに暮らす人々に関することまで記された大正時代の日本旅行ガイドブックです。 〈版元より〉 本書は Terry`s Japanese Empire including Korea and Formosa, A Guidebook for Travellers (T. Philip Terry, Houghton Mifflin Company, 1914)の、日本旅行における一般的な情報の 中から現代の読者の興味をそそりそうな部分を選んで翻訳したものです。大正時代の旅 行ガイドブックは国内にも多数ありましたが、当時の人にとっては当たり前のことでも、 現代人には予想もつかないこともたくさんあります。それは当時の外国人にとっても同 じことで、そういう細かな点を丁寧に解説してくれているのが、われわれにとってまた とない情報になるでしょう。 この本が出版された 1914 年は大正 3 年です。事態背景としては、海軍の大規模汚職事 件であるシーメンス事件、東京駅開業、宝塚少女歌劇第一回公演、夏目漱石『こゝろ』 連載開始、コナン・ドイル『恐怖の谷』連載開始、第一次世界大戦勃発、パナマ運河開 通、雑誌『少年倶楽部』創刊といったことがありました。 また『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)の時代設定を研究した泉国さんによると、物語がはじ まったのはこの前年大正 2 年だそうです。 詳しくは https://kimetsu-i.com/jidaisettei-taisyou-nannnenn/
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先人は遅れてくる~パリのガイドブックで東京の町を闊歩する3
¥1,870
「これは?」 「お玉です!」 それはわかる。しかし、今なぜここでお玉なのか。(本文より) コロナ渦中の町を歩き、近所で見かけた看板の言葉をきっかけに本当の言葉探しをはじめた「私」は、町を歩き、弘法大師と高野山から、『オズの魔法使い』、松任谷由実のドキュメンタリー番組、『西遊記』など何かを求める旅の物語に思いを馳せるうちに、半導体エンジニアの職へと導かれた出会いの記憶へと至って……。 訪ねた土地で芋づる式に記憶を蘇らせていく至福。 「このお玉がね、随分前から家の台所に仕舞ってありましてね、 いったいこれはなんだろうな、なんだろうなと思っていたんです」(本文より) ◉目次 第1章 半径1km圏内の言葉 第2章 弘法大師のご利益か 第3章 繰り返しの効能 第4章 先人は遅れてくる ◉書誌情報 新書判144頁カラー、並製本(カバー・帯付き) 定価 1,700円+税 ISBN 978-4-9910743-6-3 C0295 発行日:2024年3月15日 発行者:代わりに読む人 著者:友田とん 装画・挿画:いちろう 装幀:千葉美穂 編集協力:松井祐輔 校正:北村さわこ ◉著者略歴 友田とん(ともだ・とん) 作家・編集者。ひとり出版社・代わりに読む人代表。著書に『ナンセンスな問い』、『『百年の孤独』を代わりに読む』ほか。文芸雑誌『代わりに読む人』編集発行人。柏書房のWEBマガジンにて「地下鉄にも雨は降る」を連載中。敬愛する作家はガルシア=マルケスと後藤明生。
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パリのガイドブックで東京の町を闊歩する1 まだ歩きださない
¥770
正しい言葉なら、これほど長く考えつづけることはなかっただろう。 「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する」 突然、啓示のように降ってきた言葉を口ずさむ「私」はそんなことが果たしてできるのだろうかと考えながら、住みなれたはずの東京の町を歩きはじめる。表参道へ、荻窪へ、そして神保町へ。パリのガイドブックを手にした「私」はどこにたどり着くのか。第1号はとあるものを求めて、2018年夏、炎天下の都内をくり返し行き来した記録である。 目次 目次 第一章 まだ歩きださない 第二章 フレンチトーストを求めて 第三章 ポストフレンチトーストを歩く 【書誌情報】 著者:友田とん 出版社:代わりに読む人 初版発行日:2019-4-26 新書版:カラー 47頁 ISBN:978-4-9910743-1-8 C0295 タカラ~ムの本棚店主のレビュー https://s-taka130922.hatenablog.com/entry/2019/04/20/013417
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パリのガイドブックで東京の町を闊歩する2 読めないガイドブック
¥1,650
待望の第2巻ついに発売!! フレンチトーストを求めて東京の町を歩いた第1巻に続く、「パリのガイドブックで東京の町を闊歩する」待望の第2巻がいよいよ刊行されます! まだ歩きださなかった第1巻に続く第2巻は『読めないガイドブック?』 さて、今回はどんな展開が待ち受けているのか。 ※11/10:こちらの商品は11月末頃に発売予定です。購入をご希望されるお客様はぜひご予約をお願いします。 書名:パリのガイドブックで東京の町を闊歩する2 読めないガイドブック 著者:友田とん サイズ:新書判カラー94ページ 価格:1,500円+税 発行者:代わりに読む人 ISBN 978-4-9910743-2-5 C0295 発売日 2020年11月30日 代わりに読む人商品紹介ページ https://www.kawariniyomuhito.com/paris-tokyo2.html
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一攫千金のウォリングフォード
¥3,100
2024年2月のCOMITIAで発表されたヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「一攫千金のウォリングフォード」 著者:ジョージ・ランドルフ・チェスター 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:3,100円 判型:新書判 刊行:2024年2月 「法律は俺の友達だ!」 エラリー・クイーンが選んだ世界の名短編集『クイーンの定員』の第39番に選出された傑作短編集がヒラヤマ探偵文庫から登場です! 主人公のウォリングフォードは、アメリカ中を飛び回る詐欺師。彼が各地で繰り広げる壮大な詐欺ストーリーをぜひご堪能ください! 〈版元より〉 George Randolph Chester GET-RICHI-QUICK WALLINGFORD (1908)の全訳で、 著者のジョージ・ランドルフ・チェスター(一八六九~一九二四)はアメリカの作家、脚本家、映画監督です。 この本はエラリー・クイーンが選ぶ短編探偵小説の殿堂『クイーンの定員』の第三十九番として選出されていて、クイーンはこう書いています。 「黄金時代第一期はこのとき頂点を迎えた。ウォリングフォードの壮大な詐欺話は『一攫千金のウォリングフォー ド』から始まった。その題名ほど内容を的確に伝えるものはない。これはアメリカのビジネス・ゴロの成り上がりと転落を描いた楽しい物語だ」 ウォリングフォードと名乗る詐欺師の詐欺師が、全米をまたにかけてあちらこちらで善良でちょっと貪欲な人々を騙して金を巻き上げるという、痛快な短編集です。
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1930年のイギリス料理
¥3,100
2023年秋の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「1930年のイギリス料理」 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:3,100円 判型:A5判 刊行:2023年11月 古き良き探偵小説を紹介するヒラヤマ探偵文庫が2023年秋にお届けするのは、なんと料理本! 1930年のイギリスの一般家庭の食卓を彩ったさまざまな料理のレシピが写真つきで掲載されています。およそ100年前のイギリス家庭料理を皆さんも再現してみませんか? 〈版元より〉 本書は “Bestway” Cookery Gift Book Sixth Book の翻訳です。 出版年は明記されていませんが、バースデーケーキの写真に「1930」とありますので、おそらく1930年か1931年の出版と思われます。 イギリスの一般家庭で供されることを想定した料理本ですが、出来上がりの写真が掲載されているのは珍しいと思います。 ケーキ パン・スコーン・ティーケーキ オードブル スープ 魚料理 寮の獲物と鶏肉 肉料理 熱いプディング 冷たいデザート セイボリーと朝食 野菜&サラダ ジャムとピクルス キャンディ&ボンボン サンドイッチ の各項目で、写真入りレシピを300種類以上ご紹介しています。 第一次世界大戦と第二次世界大戦のあいだ、探偵小説の黄金時代といわれたイギリスがイギリスらしかった最後の時代の家庭をお楽しみください。
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翻訳文学紀行Ⅴ
¥1,210
翻訳文学同人「ことばのたび社」による翻訳同人アンソロジーの記念すべき第5弾! 第5巻となる本書では、スワヒリ語文学(タンザニア)、中国語文学(中国)、ドイツ語文学(イタリア)、ポーランド語文学(ポーランド)、チェコ語文学(チェコ)といった世界のバラエティ豊かな言語による個性的な作品たちをそれぞれの翻訳者が読者の皆さんにお届けします。 収録作品 「バレンズィ」スワヒリ語文学(タンザニア) E・ケジラハビ著/小野田風子訳 「文天祥詩選」中国語文学(中国) 文天祥著/村田真由訳 「ロンボ」[抄訳]ドイツ語文学(イタリア) エスター・キンスキー著/中村峻太郎訳 「私はバリケードを築いていた」[抄訳]ポーランド語文学(ポーランド) アンナ・シヴィルシュチンスカ著/山本悠太朗訳 「ベター・ライフ」チェコ語文学(チェコ) ミハエラ・クレヴィソヴァー著/家田恭訳
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林檎の種
¥800
「林檎の種」 馬場孤蝶・訳 解説:湯浅篤志 判型:新書判 68ページ 価格:800円 刊行:2023年8月 銀行頭取を狙った連続殺人事件の犯人は? 1922年創刊されたばかりの「週刊朝日」に翻訳連載された馬場孤蝶訳の探偵小説! 銀行の頭取らを狙った連続殺人事件が発生。犯人は、殺人直後に犯行の電話を新聞社にかけていた。事件現場に残された「Z」と書かれた赤い紙切れと林檎の種。犯人は、殺人予告の手紙を送り、厳重な警戒の中でもやすやすと殺人を実行してしまう。新聞記者のシャムウェーは、殺人犯を捕まえるべくある計画を起こす。はたして、犯人は見つかるのか? 2023年5月30日号をもって休刊となった「週刊朝日」が創刊されたばかりの1922年(大正11年)に連載された探偵小説です。訳者は、当時探偵小説を読みふけっていたという馬場孤蝶。原作はエドウィン・ベアードの「Z」になります。
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「謎の無線電信」(セクストン・ブレイク・コレクション2)
¥1,000
「謎の無線電信」(セクストン・ブレイク・コレクション2) 森下雨村・訳 解説:湯浅篤志 判型:新書判 100ページ 価格:1,000円 刊行:2022年5月 大正・昭和時代の探偵小説雑誌、『新青年』初代編集長 森下雨村の翻訳による、セエクストン・ブレエク探偵シリーズ 「謎の無線電信」の初の単行本化 セエクストン・ブレエク探偵は、欧州大陸にまで名の聞こえた英国の大探偵である。大西洋を往復するグリーンスター汽船会社のワイルドフライ号の乗組員が、パナマを出てから五日後、突然、"CQ CQ CQ Blake London BM OC G2437 KO KO KO"という不思議な無線電信を受け取った。帰国後、ブレエク探偵へその謎の無線電信を渡したのであるが、ブレエクは、ふと英国外務省の秘密探偵ジェムス・グラニット・グラントのことを思いだした。グラントは秘密の任務のため、三ヶ月前、英国を後にしていたのである。 謎の電文からブレエクは、英国博物館内図書館の本に秘密があると読み、博物館に急いだ。しかし書棚にその本はなく、怪しい人物がこちらを見ていた。ブレエクは助手のチンカアにその人物を追跡させる一方で、一人の男がテーブルに凭れたまま絶命しているのを発見する。男の肘の下には求める本が開かれたままになっており、それはカリビアン海調査報告書だった。地図が切り取られており、男のポケットには「仮装舞踏会に赤薔薇をつけて来い」という電報が入っていた。 カリビアン海で窮地に陥っているグラントを助けるために、助手のチンカア、探偵犬ペドロとともに、小型汽船で最高速力のナンシイ号に乗り込むセエクストン・ブレエク探偵。大冒険活劇の始まりである。
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ボンド街の歯科医師事件(セクストン・ブレイク・コレクション3)
¥1,200
2023年春の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 こちらの商品の発送は、5月22日以降になります。 「ボンド街の歯科医師事件(セクストン・ブレイク・コレクション3)」 著者:H・H・クリフォード・ギボンズ 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,200円 判型:新書判 刊行:2023年5月 ヒラヤマ探偵文庫では、今まで大正時代に翻訳されたセクストン・ブレ イク作品をお届けしてきましたが、今回はいよいよ新訳をご紹介します。 はたして森下雨村の「謎の無線電信」や加藤朝鳥の「東埔寨の月」といった素晴らしい訳文に追いつけるかどうかはわかりませんが、できるだけ原文に忠実に、完訳でお届けします。 ロンドンでは、持ち主しか知らない秘密の場所に隠してある貴重品が盗まれる怪事件が立て続けに起こります。スコットランド・ヤードは途方に暮れるのですが、その事件を見事解決するベイカー街の名探偵セクストン ・ブレイクと友人で冒険家のロウレス閣下、そして助手のティンカー少年の活躍を、どうぞお楽しみください。 もちろんお馴染みの仇敵、キュー教授やカーラック伯爵も登場します。 さらに短編として「金歯」を収録しました。 そしてアガサ・クリスティ研究の第一人者である数藤康雄さんに、解説をいただきました。クリスティははたしてセクストン・ブレイクを読んで いたのでしょうか。
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山﨑ノ箱 ロマンチック★過失漫画
¥1,760
「吟醸掌篇」の編集工房けいこう舎初の単行本! 「吟醸掌篇」の装幀を手掛けてきた山﨑まどかさん初にして驚異の漫画作品集! ウェブ連載時より「往年の「ガロ」を思わせる」と話題を集めた「山﨑ノ箱」に描き下ろしと、路上生活者などの支援を行う社団法人あじいるが発行する冊子「あじいる」に掲載された作品をあわせた作品集です。 ■本書カバー扉より どんなに早く走ろうと焦ってもスローモーションのように地団駄踏むばかり。 《この本にある十三のお話は、三十六ヶ月の間に私自身の認知枠が捉えた心象風景だ 結婚と出産、新たな仕事への挑戦でほぼ適応障害に陥りパニックに苦しんだこと、誰よりも近くに存在した愛犬との離別、緊急事態宣言下の夜回りや「あじいる」+「あうん」、救いのように立ち現れてきた人など、私が感じた日常の断片です。》(「序」から) ……イラストレーター・デザイナーの傍ら支援の現場で働く著者初の、そして驚異の漫画作品集! 往年の「ガロ」か!と話題になったウェブ連載作品「山﨑ノ箱」(2020~23年)に、描き下ろし1本と、山谷生まれの冊子「あじいる」掲載作品を収録!(編集部) ■著者について 山﨑まどか 1966年東京生まれ。東京デザイン専門学校卒。 広告、出版、印刷、中間支援を経て福祉、相談業務へ。 2008年、NPO自立生活サポートセンター・もやいに出会い、その後、冊子づくりを機に「あじいる」に参加。 装幀の仕事に『吟醸掌篇』(けいこう舎)、『貧困待ったなし!-とっちらかりの10年間』(もやい、岩波書店)、『お袖をつかんで』(吉永岳彦、てるふる)など。 ■書誌データ 「山﨑ノ箱」 著者:山﨑まどか 出版社:編集工房けいこう舎・りぷれブックス 価格:1,600円+税
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囁く電話
¥2,000
2023年春の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 こちらの商品の発送は、5月22日以降になります。 「囁く電話」 著者:ヘンリー・レヴェレージ 訳者:加藤朝鳥、平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:2,000円 判型:新書判 刊行:2023年5月 アメリカの作家、ヘンリー・レヴェレージ(1879~1931)は、第一次世界大戦後において、多作で成功したパルプ・フィクション作家の一人である。1914年、彼は、車を盗んだ罪(後に盗品受領となる)で、ニューヨーク州のシンシン刑務所(最高の警備レベル)に収監された。しかし、彼はそこで"The Twinkler"(1916)という小説を書き、映画にもなった。刑務所の中で書いた作品ということが宣伝文句だった。出獄後には、「囁く電話("Whispering Wires")」(1918)を書き、これも映画化(1926)され、作家として名前を知られるようになっている。本巻に収録した「囁く電話」は、1922年『新青年』に発表された加藤朝鳥の翻訳が中絶してしまったのをうけて、その続きを現代の翻訳家の平山雄一が最後まで訳し、完成させたものである。