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冒険家クラブの冒険談

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「冒険家クラブの冒険談 ぞっとするような六つの話」
著者:五人の男と一人の女
訳者:平山雄一
発行:ヒラヤマ探偵文庫
価格:1,000円
判型:新書判
刊行:2025年1月

探偵小説史の裏に生きたシリング・ショッカー
ヴィクトリア朝時代の人々が実際に楽しんだのはこれだ!
切り裂きジャックを描いた最初期の小説!

本書はThe Adventures of the Adventurers Club, A Shocker in Six Stories (Five men & a woman 1890)の全訳である。いわゆる「シリング・ショッカー」と呼ばれる読み物で、一シリングという単行本よりは安い価格(ちなみにストランド・マガジンも一シリングだった)で売られたペーパーバックだ。著者名も「五人の男と一人の女」という、語り手そのままであって本来の著者名は明記されていない。これは『ある刑事の回想録』 (ウォーターズ、ヒラヤマ探偵文庫)以来の、語り手すなわち著者名とする習慣が引き継がれているのだろう。おそらくこの本は娯楽のために読み捨てられていたのではないかと思われる。同様に読み捨てられていた定期刊行物には青少年を読者として想定した「ペニー・ドレッドフル」があったけれども、当時は十二ペンスで一シリングだったので、価格としては十二倍になるし、本書中には英語の註なしにフランス語が使われたりもしているので、読者はフランス語も分かる、ある程度上の階級に属する人々だったと思われる。親しい人々が集まって話を披露するという形式は、 「デカメロン」以来よくある形だが、日本でも江戸川乱歩「赤い部屋」や野村胡堂「奇譚クラブ」がある。

【目次】
冒険家クラブとは何者か?
ジュリアン・ストラハンの話
外国人街にて
会長の話
陪審員長
家畜処理場
女性会員の話
訳者解説

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