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冒険家クラブの冒険談
¥1,000
「冒険家クラブの冒険談 ぞっとするような六つの話」 著者:五人の男と一人の女 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,000円 判型:新書判 刊行:2025年1月 探偵小説史の裏に生きたシリング・ショッカー ヴィクトリア朝時代の人々が実際に楽しんだのはこれだ! 切り裂きジャックを描いた最初期の小説! 本書はThe Adventures of the Adventurers Club, A Shocker in Six Stories (Five men & a woman 1890)の全訳である。いわゆる「シリング・ショッカー」と呼ばれる読み物で、一シリングという単行本よりは安い価格(ちなみにストランド・マガジンも一シリングだった)で売られたペーパーバックだ。著者名も「五人の男と一人の女」という、語り手そのままであって本来の著者名は明記されていない。これは『ある刑事の回想録』 (ウォーターズ、ヒラヤマ探偵文庫)以来の、語り手すなわち著者名とする習慣が引き継がれているのだろう。おそらくこの本は娯楽のために読み捨てられていたのではないかと思われる。同様に読み捨てられていた定期刊行物には青少年を読者として想定した「ペニー・ドレッドフル」があったけれども、当時は十二ペンスで一シリングだったので、価格としては十二倍になるし、本書中には英語の註なしにフランス語が使われたりもしているので、読者はフランス語も分かる、ある程度上の階級に属する人々だったと思われる。親しい人々が集まって話を披露するという形式は、 「デカメロン」以来よくある形だが、日本でも江戸川乱歩「赤い部屋」や野村胡堂「奇譚クラブ」がある。 【目次】 冒険家クラブとは何者か? ジュリアン・ストラハンの話 外国人街にて 会長の話 陪審員長 家畜処理場 女性会員の話 訳者解説
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赤い塔の家
¥700
「赤い塔の家」(森下雨村少年少女探偵小説コレクション2) 著者:森下雨村 解説:湯浅篤志 判型:新書判 52ページ 価格:700円 刊行:2025年1月 2023年に刊行された「森下雨村少年少女探偵小説コレクション」のシリーズ第2弾! 無言の声が聞こえる。光子のテレパシーを感じる! 幽霊騒ぎの中で能力者に覚醒した純子の活躍を描く大正時代(1918年)の冒険科学小説!! 本巻には、森下雨村の冒険科学小説「赤い塔の家」(『少女の友』大正7年7月~12月号)が収録されている。――赤い塔の家にある、開かずの部屋で起こる幽霊騒ぎがきっかけで、物語が動き始める。『少女の友』に連載されていたので、登場人物の中心はローティーンの一郎や純子、光子の姉妹であり、彼らの行動が、読者の〈恐いもの見たさ〉を煽るものとなっていた。 千里眼やテレパシーなどの超常現象も描かれ、作品を支えるものとしてあった。この時期、つまり大正7(1918)年の小説としては、たいへん珍しい題材だといえるだろう。また物語の舞台である赤い塔の家も、栃木県の中禅寺湖の湖畔にあるという設定になっていた。子供たちが夏休みに出かける避暑地の雰囲気を存分に出している。雨村は、夏という季節の連載を意識して、題材を扱っていた。その赤い塔の家には、大きな秘密が隠されていたのである。はたして彼らは、秘密を解くカギを探すことができるのであろうか?
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ヴィクトリア朝の上流階級
¥1,500
「ヴィクトリア朝の上流階級」 平山雄一訳・解説 判型:A5版152ページ 価格:1500円 刊行:2024年11月 『ヴィクトリア朝の上流階級』は、ヴィクトリア女王即位六十周年の記念として発行された写真集 NOTABLES OF BRITAIN の全訳です。1897年に刊行されたこの作品は、当時のイギリス上流階級の著名人たちの写真と直筆を集めたアルバムであり、シャーロック・ホームズが活躍したヴィクトリア朝後期を舞台とする人物たちが一堂に会しています。本書は直筆部分を省略していますが、収められている人物たちの経歴や評価については、訳者が解説を加えています。 登場する人物には、ヴィクトリア女王を筆頭に王室の方々や貴族たちをはじめ、クリミア戦争に従軍した看護師のフローレンス・ナイチンゲールや、『ジャングル・ブック』などで知られるノーベル賞作家ラドヤード・キプリング、冒険小説『洞窟の女王』で有名なH.R.ハガード、その他有名や俳優や芸術家など、19世紀を代表する面々が揃っています。ホームズが捜査の途中で彼らと出会っていたかもしれないという想像を巡らせながら楽しめる写真集です。 また、ファッション好きの方には当時のメンズファッションの隆盛を知るための貴重な資料としても役立つ内容になっています。
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翻訳文学紀行Ⅵ
¥990
様々な言語で書かれた世界中の物語の翻訳書を出版するひとり出版社「ことばのたび社」がお送りする翻訳同人アンソロジー待望の第6弾! 第6巻となる本書では、英語文学(アメリカ)、ハンガリー語文学(ハンガリー)、アラビア語文学(パレスチナ)、ドイツ語文学(オーストリア)、華語文学(中華民国)といった世界のバラエティ豊かな言語による個性的な作品たちをそれぞれの翻訳者が読者の皆さんにお届けします。 収録作品 「ストーリーテラー」より二篇 英語文学(アメリカ) レスリー・モン・シルコウ著/大松智也訳 「中央署当直にて」 ハンガリー語文学(ハンガリー) レィテー・イェネー著/中井杏奈訳 「ワーディ・ニスナースの新しい地図」 アラビア語文学(パレスチナ) ターハー・ムハンマド・アリー著/西道奎・溝川貴己訳 「ゴットランド島」[第一部第三章「カインとアベル」] ドイツ語文学(オーストリア) ミヒャエル・スタヴァリチ著/高田緑訳 「鉄漿」華語文学(中華民国) 朱西甯著/蘭豪訳
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森下雨村犯罪実話集
¥1,200
「森下雨村犯罪実話集」 森下雨村 湯浅篤史・編 判型:新書判 110ページ 価格:1200円 刊行:2024年9月 フランスの名探偵ギュスターヴ・マセやゴロンが活躍する実話やウィルキー・コリンズ「月長石」やS・S・ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」に影響を与えた「コンスタンス・ケント事件」などの大正、昭和の探偵小説ブームを牽引した森下雨村が蒐集してきた西欧犯罪実話から描いた作品集です。 (編者解説) 本巻には、「死体を無くした男」「冷酷無情 カザリン・ヘーズ」「コンスタンス・ケント事件」「鼠を飼う死刑囚」「十五萬ポンドの頸飾」「噫無情」の六編の英仏犯罪実話が収録されている。 「死体を無くした男」は、パリ警視庁のギュスターヴ・マセの活躍、「冷酷無情 カザリン・ヘーズ」は、カザリン・ヘーズの残虐な殺人をそれぞれ描いている。「コンスタンス・ケント事件」は、ウィルキー・コリンズ「月長石」やS・S・ヴァン・ダイン「グリーン家殺人事件」に影響を与えたといわれる事件であった。「鼠を飼う死刑囚」は、アーサー・グリフィスが描く、動物好きの死刑囚の話であり、「十五萬ポンドの頸飾」は、フランスからイギリスに送った十五萬ポンドの頸飾がすり替えられたところから始まる話だ。「噫無情」は、マセと並ぶフランスの名探偵ゴロンの捜査法を語っていた。いずれの作品も、森下雨村の好みが伝わる、読み応えのある犯罪実話であるといえるだろう。 ■目次 死体を無くした男 冷酷無情 カザリン・ヘーズ コンスタンス・ケント事件 鼠を飼う死刑囚 十五萬ポンドの頸飾 噫無情
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英国犯罪実話集3
¥2,100
「英国犯罪実話集3」 アルフォンス・ベルティヨン他・著 平山雄一・訳 判型:新書判 198ページ 価格:2100円 刊行:2024年9月 事件発生から七年後に発表された切り裂きジャック事件のパンフレット収録! ストランド・マガジンのイラストを多数収録したヒラヤマ探偵文庫オリジナル編集によるイギリスの犯罪実話集の第3弾です! 今回もストランド・マガジンに掲載された犯罪関係の記事を集めてすべてのイラストを収録、さらに1895年にカナダで発行された、ウェインライト事件と切り裂きジャック事件を描いた実話パンフレット全訳を収録(『犯罪と犯罪者の記録 第一号』)しました。新聞記事以外で、切り裂きジャックについて書かれた最初期の資料ではないでしょうか。 収録作品は以下の通りです。 ■目次 『小説のような犯罪実話譚 二人の有名スコットランド・ヤード刑事の体験談』 『エジプトの「シャーロック・ホームズ」ベドウィン族追跡者の方法』 『証言の価値とは何か?』 『最新犯罪捜査法グロス・システム』 『ラッフルズは実在するのか? 紳士強盗の伝説』 『犯罪者は外科手術で治癒できるのか?』 『裁判所の風景――刑事法廷』 『世界最大の探偵事務所ピンカートン社の歴史』 『犯罪と犯罪者の記録 第一号』 (おことわり) 「英国犯罪実話集1」につきましては、版元在庫なしにつき、お取り扱いがありません。 「英国犯罪実話集2」につきましては、在庫僅少となっております。
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趣味のモダン・アラカルト 大正・昭和・戦後のひととき
¥1,700
2024年5月の文学フリマ東京で発表されたヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「趣味のモダン・アラカルト」 著者:湯浅篤志 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,700円 刊行:2024年5月 大正文学研究者の著者がインターネット上のブログに書き綴ったものから〈趣味のモダン〉というテーマで抜粋し、一部加筆修正等行ったエッセイ集です。論創社から2010年に刊行された「夢見る趣味の大正時代-作家たちの散文風景-」の続編ともいえるエッセイ集になります。 大正から昭和、そして戦後へと続く、文人、世間の〈趣味〉への関わり方が書かれています。 巻末には、青木槐三が昭和4年に「サンデー毎日」に掲載した「駅弁名物 汽車の旅」の解説も収録。昭和初期の駅弁に興味のある方は必読です。 〈版元より〉 大正、昭和から戦後へと続く、文人、世間の〈趣味〉への関わり方をとりあげたエッセイ集。大正文学研究者、湯浅篤志『夢見る趣味の大正時代』(論創社、2010)の続編になります。大正の初めは不景気の時代でした。すぐに第一次世界大戦が始まり、関東大震災があり、昭和を迎えます。モダンの喧噪にあけくれ、辛く悲しい戦争を生き、戦後なってようやく生活を取り戻すことができました。そうした時代を生きてきた市井の人々は、どのようにして普通の生活を楽しんできたのでしょうか。文化の先端に触れ続ける文人たちの〈趣味〉のまなざしを通して、世間の流行や現象にに切り込んでいきます。また、鉄道ジャーナリスト青木槐三が昭和4年に書いた「駅弁名物 汽車の旅」(『サンデー毎日』所収)を取り上げ、日本全国の駅弁を紹介します。こんなにたくさんの美味しそうな駅弁があったんですね。戦前の駅弁研究家は必携です。
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テリーの日本案内 大正3年版
¥1,900
2024年5月の文学フリマ東京で発表されたヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「テリーの日本案内 大正3年版」 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,900円 刊行:2024年5月 東京駅が開業し、宝塚歌劇団が第一回公演を行った大正3年。夏目漱石が「こころ」の連載を開始し、コナン・ドイルが「恐怖の谷」の連載を開始した大正3年。そして、新シーズン「柱稽古編」の放送が2024年5月からスタートした人気アニメ「鬼滅の刃」の舞台となっている大正時代。そんな時代の日本の歩き方を示したガイドブックの翻訳版です。 日本への渡航方法から費用、日本での過ごし方やそこに暮らす人々に関することまで記された大正時代の日本旅行ガイドブックです。 〈版元より〉 本書は Terry`s Japanese Empire including Korea and Formosa, A Guidebook for Travellers (T. Philip Terry, Houghton Mifflin Company, 1914)の、日本旅行における一般的な情報の 中から現代の読者の興味をそそりそうな部分を選んで翻訳したものです。大正時代の旅 行ガイドブックは国内にも多数ありましたが、当時の人にとっては当たり前のことでも、 現代人には予想もつかないこともたくさんあります。それは当時の外国人にとっても同 じことで、そういう細かな点を丁寧に解説してくれているのが、われわれにとってまた とない情報になるでしょう。 この本が出版された 1914 年は大正 3 年です。事態背景としては、海軍の大規模汚職事 件であるシーメンス事件、東京駅開業、宝塚少女歌劇第一回公演、夏目漱石『こゝろ』 連載開始、コナン・ドイル『恐怖の谷』連載開始、第一次世界大戦勃発、パナマ運河開 通、雑誌『少年倶楽部』創刊といったことがありました。 また『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)の時代設定を研究した泉国さんによると、物語がはじ まったのはこの前年大正 2 年だそうです。 詳しくは https://kimetsu-i.com/jidaisettei-taisyou-nannnenn/
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一攫千金のウォリングフォード
¥3,100
2024年2月のCOMITIAで発表されたヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「一攫千金のウォリングフォード」 著者:ジョージ・ランドルフ・チェスター 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:3,100円 判型:新書判 刊行:2024年2月 「法律は俺の友達だ!」 エラリー・クイーンが選んだ世界の名短編集『クイーンの定員』の第39番に選出された傑作短編集がヒラヤマ探偵文庫から登場です! 主人公のウォリングフォードは、アメリカ中を飛び回る詐欺師。彼が各地で繰り広げる壮大な詐欺ストーリーをぜひご堪能ください! 〈版元より〉 George Randolph Chester GET-RICHI-QUICK WALLINGFORD (1908)の全訳で、 著者のジョージ・ランドルフ・チェスター(一八六九~一九二四)はアメリカの作家、脚本家、映画監督です。 この本はエラリー・クイーンが選ぶ短編探偵小説の殿堂『クイーンの定員』の第三十九番として選出されていて、クイーンはこう書いています。 「黄金時代第一期はこのとき頂点を迎えた。ウォリングフォードの壮大な詐欺話は『一攫千金のウォリングフォー ド』から始まった。その題名ほど内容を的確に伝えるものはない。これはアメリカのビジネス・ゴロの成り上がりと転落を描いた楽しい物語だ」 ウォリングフォードと名乗る詐欺師の詐欺師が、全米をまたにかけてあちらこちらで善良でちょっと貪欲な人々を騙して金を巻き上げるという、痛快な短編集です。
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1930年のイギリス料理
¥3,100
2023年秋の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 「1930年のイギリス料理」 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:3,100円 判型:A5判 刊行:2023年11月 古き良き探偵小説を紹介するヒラヤマ探偵文庫が2023年秋にお届けするのは、なんと料理本! 1930年のイギリスの一般家庭の食卓を彩ったさまざまな料理のレシピが写真つきで掲載されています。およそ100年前のイギリス家庭料理を皆さんも再現してみませんか? 〈版元より〉 本書は “Bestway” Cookery Gift Book Sixth Book の翻訳です。 出版年は明記されていませんが、バースデーケーキの写真に「1930」とありますので、おそらく1930年か1931年の出版と思われます。 イギリスの一般家庭で供されることを想定した料理本ですが、出来上がりの写真が掲載されているのは珍しいと思います。 ケーキ パン・スコーン・ティーケーキ オードブル スープ 魚料理 寮の獲物と鶏肉 肉料理 熱いプディング 冷たいデザート セイボリーと朝食 野菜&サラダ ジャムとピクルス キャンディ&ボンボン サンドイッチ の各項目で、写真入りレシピを300種類以上ご紹介しています。 第一次世界大戦と第二次世界大戦のあいだ、探偵小説の黄金時代といわれたイギリスがイギリスらしかった最後の時代の家庭をお楽しみください。
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翻訳文学紀行Ⅴ
¥1,210
翻訳文学同人「ことばのたび社」による翻訳同人アンソロジーの記念すべき第5弾! 第5巻となる本書では、スワヒリ語文学(タンザニア)、中国語文学(中国)、ドイツ語文学(イタリア)、ポーランド語文学(ポーランド)、チェコ語文学(チェコ)といった世界のバラエティ豊かな言語による個性的な作品たちをそれぞれの翻訳者が読者の皆さんにお届けします。 収録作品 「バレンズィ」スワヒリ語文学(タンザニア) E・ケジラハビ著/小野田風子訳 「文天祥詩選」中国語文学(中国) 文天祥著/村田真由訳 「ロンボ」[抄訳]ドイツ語文学(イタリア) エスター・キンスキー著/中村峻太郎訳 「私はバリケードを築いていた」[抄訳]ポーランド語文学(ポーランド) アンナ・シヴィルシュチンスカ著/山本悠太朗訳 「ベター・ライフ」チェコ語文学(チェコ) ミハエラ・クレヴィソヴァー著/家田恭訳
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林檎の種
¥800
「林檎の種」 馬場孤蝶・訳 解説:湯浅篤志 判型:新書判 68ページ 価格:800円 刊行:2023年8月 銀行頭取を狙った連続殺人事件の犯人は? 1922年創刊されたばかりの「週刊朝日」に翻訳連載された馬場孤蝶訳の探偵小説! 銀行の頭取らを狙った連続殺人事件が発生。犯人は、殺人直後に犯行の電話を新聞社にかけていた。事件現場に残された「Z」と書かれた赤い紙切れと林檎の種。犯人は、殺人予告の手紙を送り、厳重な警戒の中でもやすやすと殺人を実行してしまう。新聞記者のシャムウェーは、殺人犯を捕まえるべくある計画を起こす。はたして、犯人は見つかるのか? 2023年5月30日号をもって休刊となった「週刊朝日」が創刊されたばかりの1922年(大正11年)に連載された探偵小説です。訳者は、当時探偵小説を読みふけっていたという馬場孤蝶。原作はエドウィン・ベアードの「Z」になります。
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「謎の無線電信」(セクストン・ブレイク・コレクション2)
¥1,000
「謎の無線電信」(セクストン・ブレイク・コレクション2) 森下雨村・訳 解説:湯浅篤志 判型:新書判 100ページ 価格:1,000円 刊行:2022年5月 大正・昭和時代の探偵小説雑誌、『新青年』初代編集長 森下雨村の翻訳による、セエクストン・ブレエク探偵シリーズ 「謎の無線電信」の初の単行本化 セエクストン・ブレエク探偵は、欧州大陸にまで名の聞こえた英国の大探偵である。大西洋を往復するグリーンスター汽船会社のワイルドフライ号の乗組員が、パナマを出てから五日後、突然、"CQ CQ CQ Blake London BM OC G2437 KO KO KO"という不思議な無線電信を受け取った。帰国後、ブレエク探偵へその謎の無線電信を渡したのであるが、ブレエクは、ふと英国外務省の秘密探偵ジェムス・グラニット・グラントのことを思いだした。グラントは秘密の任務のため、三ヶ月前、英国を後にしていたのである。 謎の電文からブレエクは、英国博物館内図書館の本に秘密があると読み、博物館に急いだ。しかし書棚にその本はなく、怪しい人物がこちらを見ていた。ブレエクは助手のチンカアにその人物を追跡させる一方で、一人の男がテーブルに凭れたまま絶命しているのを発見する。男の肘の下には求める本が開かれたままになっており、それはカリビアン海調査報告書だった。地図が切り取られており、男のポケットには「仮装舞踏会に赤薔薇をつけて来い」という電報が入っていた。 カリビアン海で窮地に陥っているグラントを助けるために、助手のチンカア、探偵犬ペドロとともに、小型汽船で最高速力のナンシイ号に乗り込むセエクストン・ブレエク探偵。大冒険活劇の始まりである。
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ボンド街の歯科医師事件(セクストン・ブレイク・コレクション3)
¥1,200
2023年春の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 こちらの商品の発送は、5月22日以降になります。 「ボンド街の歯科医師事件(セクストン・ブレイク・コレクション3)」 著者:H・H・クリフォード・ギボンズ 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,200円 判型:新書判 刊行:2023年5月 ヒラヤマ探偵文庫では、今まで大正時代に翻訳されたセクストン・ブレ イク作品をお届けしてきましたが、今回はいよいよ新訳をご紹介します。 はたして森下雨村の「謎の無線電信」や加藤朝鳥の「東埔寨の月」といった素晴らしい訳文に追いつけるかどうかはわかりませんが、できるだけ原文に忠実に、完訳でお届けします。 ロンドンでは、持ち主しか知らない秘密の場所に隠してある貴重品が盗まれる怪事件が立て続けに起こります。スコットランド・ヤードは途方に暮れるのですが、その事件を見事解決するベイカー街の名探偵セクストン ・ブレイクと友人で冒険家のロウレス閣下、そして助手のティンカー少年の活躍を、どうぞお楽しみください。 もちろんお馴染みの仇敵、キュー教授やカーラック伯爵も登場します。 さらに短編として「金歯」を収録しました。 そしてアガサ・クリスティ研究の第一人者である数藤康雄さんに、解説をいただきました。クリスティははたしてセクストン・ブレイクを読んで いたのでしょうか。
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囁く電話
¥2,000
2023年春の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 こちらの商品の発送は、5月22日以降になります。 「囁く電話」 著者:ヘンリー・レヴェレージ 訳者:加藤朝鳥、平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:2,000円 判型:新書判 刊行:2023年5月 アメリカの作家、ヘンリー・レヴェレージ(1879~1931)は、第一次世界大戦後において、多作で成功したパルプ・フィクション作家の一人である。1914年、彼は、車を盗んだ罪(後に盗品受領となる)で、ニューヨーク州のシンシン刑務所(最高の警備レベル)に収監された。しかし、彼はそこで"The Twinkler"(1916)という小説を書き、映画にもなった。刑務所の中で書いた作品ということが宣伝文句だった。出獄後には、「囁く電話("Whispering Wires")」(1918)を書き、これも映画化(1926)され、作家として名前を知られるようになっている。本巻に収録した「囁く電話」は、1922年『新青年』に発表された加藤朝鳥の翻訳が中絶してしまったのをうけて、その続きを現代の翻訳家の平山雄一が最後まで訳し、完成させたものである。
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シャーロック・ホームズ研究2
¥1,600
ヒラヤマ探偵文庫sh02「シャーロック・ホームズ研究2」 著者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,600円 判型:新書判 刊行:2023年3月 著者の言葉 2023年3月19日に日本シャーロック・ホームズ・クラブ大会が開催され、その場で講演することになりました。せっかくですので、これにあわせて「シャーロック・ホームズ研究2」を出すことにしました。 今まで発表した平山のホームズ研究を集めたものですが、そのほとんどは若い頃の作品ですので、お読みになった方も少ないのではないでしょうか。 目玉は「S・ホームズと大予言」で、ノストラダムスがホームズ物語を予言していたというものです。 収録作品 「心の郷愁の国」 「最後の挨拶」の著者とは? 「ワトスンの推理法修業」の方言版 「ボール箱」のかくれた真実 チャールズ・オーガスタス・チャールストン 一九八八年 ロンドン巡礼の旅 高田義一郎のホームズパロディについて S・ホームズと大予言
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血闘
¥2,000
ヒラヤマ探偵文庫24「血闘」 著者:三上於菟吉 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:2,000円(税込) 判型:新書判 刊行:2023年1月 『雪之丞変化』だけじゃない! 日本のバルザック、三上於菟吉の描く 最初の長篇探偵小説!! 老実業家、大川信兵衛は、丸の内の帝京ビルディングの二階の角部屋にあるオフィスで関東大震災に遭遇した。秘書の山口詮一とタイピストの藤村なみ子がいっしょである。地震の大きな揺れとともに、デスクに座っていた大川のところへ天井が崩れ落ち、コンクリートの破片と鉄材によって、大川は押しつぶされてしまった。さいわい山口と藤村なみ子は助かったが、山口は亡くなった大川社長のポケットから黄金色の鍵束を抜き取った。それを目撃したなみ子。山口は彼女を始末しようとしたが、再び大きな揺り返しがやってきた。二人のところにも、コンクリートの塊が崩れ落ちてきたのである。――山口は無事だった。しかし、なみ子の姿が見えない。山口はこの機を利用して、大川社長の莫大な資産を乗っ取ろうと考えたのだ。 そんなとき、大川の息子芳一がアメリカで生きていて、帰国するということが新聞報道される。山口は芳一を無き者にしようと思い、秘密結社鉄血団の堀江を訪ねた。堀江は、芳一が帰朝する船の大洋丸に乗り込むが、そこへ現れたのが、アメリカで浪人をしていた細沼冬夫という男だった。さらに大川のところへは「キケンアリ、ケイカイセラレヨ――センチウモユダンスルナ N・F」という不思議な無線電信も届けられた。
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写真集 女王陛下のロンドン
¥1,000
2022年秋の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 こちらの商品の発送は、11月21日以降になります。 「写真集 女王陛下のロンドン」 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:1,000円 判型:A5版 刊行:2022年11月 「写真集 1906年のロンドン」の補遺版となる写真集。1897年版を1906年版に改訂する際に削除された写真をまとめたもので、「1896年のヴィクトリア女王即位60周年記念パレード」の写真が入っています。前回同様、QRコードが添付されており、写真風景地の現在の様子をGoogleマップで確認できるようになっています。
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悪の華
¥2,000
再入荷! 「悪の華」ヒラヤマ探偵文庫13 著者:馬場孤蝶 発行:ヒラヤマ探偵文庫 刊行:2021年5月 価格:2,000円 馬場孤蝶(ばば・こちょう、1869~1940)は、明治期において、島崎藤村らの『文学界』同人であり、英文学者として慶応大学教授、評論家、翻訳家、詩人であった。童話などを書いたことでも知られている。大正時代、『新青年』編集主幹の森下雨村の勧めにより、探偵小説に開眼する。海外の探偵小説の紹介が主だったが、探偵小説に自ら筆を染めたのはあまり知られていない。本巻に収録した「髑髏の正体」「悪の華」「荊棘の路」の三編は、いずれも関東大震災後の『婦人倶楽部』に連載された中編探偵小説である。読者に対して、総額一千円の犯人当て大懸賞が三編ともに付いていた。「髑髏の正体」では石田憲三探偵の捜査と推理、「悪の華」では探偵団芳雄と女探偵西野蘭子の邂逅、活劇、そして「荊棘の路」においては浅田貞三警部の理知的な推理が読みどころとなっている。これら馬場孤蝶の探偵小説は、現在において映像ドラマ化してもおかしくない、品のあり、そして人情味に溢れる物語だといえるだろう。
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「不思議の達人(下)」
¥2,500
【予約販売商品】 2022年春の文学フリマ東京で販売されるヒラヤマ探偵文庫の新刊になります。 こちらの商品の発送は、5月30日以降になります。 「不思議の達人(下)」 著者:ジェレット・バージェス 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:2,500円 判型:新書判 刊行:2022年5月 2021年11月に刊行された「不思議の達人(上)」の待望の下巻になります。 原書に掲載されている24編から上巻に訳出した12編を除く残り12編が収録されています。 著者ジェレット・バージェス(GelettBurgess 一八六六〜一九五一)はアメリカのユーモア作家である。マサチューセッツ工科大学を卒業後、いくつかの職を経た後、カリフォルニア州立大学バークレー校の地形学の教授となった。しかし一八九四年に禁酒主義者が建設した水飲み場を破壊する事件が起き、バージェスの関与が疑われたために大学を退職、文筆活動にはいった。 彼の作品はほとんど日本には紹介されていないが、唯一の例外が「不思議の達人」(一九一二)と題する短編集だ。今までに二作品が邦訳されている。 これは東洋の預言者と自称するアストロが、ニューヨークでさまざまな事件を解決する短編探偵小説シリーズで、超能力を用いているふりをしているが、実は東洋人でも超能力者でもなく、合理的で科学的な推理をアメリカ人の主人公がしているのである。ワトスン役は秘書で恋人のヴァレスカで、二人の恋の行方も同時に語られる。 上巻は以下のリンクからご購入可能です。 https://ramutakabook.thebase.in/items/59617775
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ナンシー・ドルーと象牙のお守り
¥1,500
ヒラヤマ探偵文庫18 「ナンシー・ドルーと象牙のお守り」 著者:キャロリン・キーン 訳者:平山雄一 解説:新保博久 刊行予定:2022年2月発行 判型:新書判 184ページ 価格:1,500円 本書はアメリカで長年人気の少女探偵「ナンシー・ドルー」シリーズの一冊です。 このたび「都筑道夫創訳ミステリ集成」(新保博久解説、作品社)の収録作品として「象牙のお守り」(淡路瑛一、保育社、一九五八)にあたり、他の収録作品が完訳があるにもかかわらず、本作のみが未紹介であるので、ヒラヤマ探偵文庫から訳出することにしました。 原作はThe Mystery of the Ivory Charm (1936)であり、江戸川乱歩の少年探偵団シリーズとほぼ同時時代に発表された少女向け探偵シリーズです。我が国とアメリカの少年少女向け探偵小説の違いを比較するもよし、また「都筑道夫創訳ミステリ集成」の自由奔放な「創訳」と読み比べるのも面白いのではないでしょうか。
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ロムニー・プリングルの冒険
¥2,500
「ロムニー・プリングルの冒険」 著者:クリフォード・アシュダウン 訳者:平山雄一 解説:戸川安宣 判型:新書判 226ページ 価格:2500円 刊行:2021年10月 ソーンダイク博士・シリーズで有名なオースチン・フリーマンが、友人の医師と合作した詐欺師小説です。 エラリー・クイーンが選んだ世界の名短編集「クイーンの定員」第三十番に選ばられています。
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蒼き死の腕環
¥2,000
「蒼き死の腕環」 ヒラヤマ探偵文庫 著者:長田幹彦 解説:湯浅篤志 価格:2,000円(税込) 発行:2020年11月 判型:新書判 谷崎潤一郎と並び称せられた文豪、長田幹彦が1924年に雑誌連載した探偵小説の初単行本化。「新青年」に探偵小説論も発表した長田の幻の長編が、今蘇ります。 長田幹彦(ながたみきひこ、1887~1964)は、大正から昭和を駆け抜けた大衆文学作家であり、しかも流行作家であった。明治の終わり、谷崎潤一郎と並んで、文壇の寵児としてもてはやされていた。しかし、長田自身、文壇の中だけでは飽き足らず、婦人雑誌、家庭雑誌、新聞などに長編、短編作品を数多く発表する。映画化された作品も多く、人々の好む男女の恋愛のもつれを「哀艶情話」として表現することができたからである。愛する誰かのために生きる女性の生き様を描くことに特徴があった。 本巻に収録した「蒼き死の腕環」は、大正13(1924)年1月から一年間、『婦人世界』に連載された「探偵小説」である。関東大震災後の横浜、東京を舞台にし、ヨーロッパから帰国したばかりの曲芸師・房江と美少年ヨハンの翻弄される生活を描いている。房江は命よりも大事な蒼き腕環をいつも身につけていた。しかし金貸しの李爺には、死を呼ぶ腕環だと言われる。ある日、ヨハンが何者かに連れ去られてしまった。愛するヨハンを救うために、房江は世界を「改造」しようとするアメリカの秘密結社LLL団に決死の覚悟で挑んでいく。彼女は秘密結社の一員のフリをして、実は日本のために命を捧げようとしていたのだ。自己の立場に惑うことなく、ヨハンを助けようとする房江の心はどこまでも尊い。「新しい様式の探偵小説」の誕生である。
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不思議の達人(上)
¥2,500
「不思議の達人(上)」 著者:ジェレット・バージェス 訳者:平山雄一 発行:ヒラヤマ探偵文庫 価格:2,500円 判型:新書判 刊行:2021年11月 原書は24編収録しているので、今回は半分の12編と、平山が書いた研究を収録しました。下巻は2022年春に出版予定です。 著者ジェレット・バージェス(Gelett Burgess 一八六六〜一九五一)はアメリカのユーモア作家である。マサチューセッツ工科大学を卒業後、いくつかの職を経た後、カリフォルニア州立大学バークレー校の地形学の教授となった。しかし一八九四年に禁酒主義者が建設した水飲み場を破壊する事件が起き、バージェスの関与が疑われたために大学を退職、文筆活動にはいった。 彼の作品はほとんど日本には紹介されていないが、唯一の例外が「不思議の達人」(一九一二)と題する短編集だ。今までに二作品が邦訳されている。 これは東洋の預言者と自称するアストロが、ニューヨークでさまざまな事件を解決する短編探偵小説シリーズで、超能力を用いているふりをしているが、実は東洋人でも超能力者でもなく、合理的で科学的な推理をアメリカ人の主人公がしているのである。ワトスン役は秘書で恋人のヴァレスカで、二人の恋の行方も同時に語られる。